このたび、楽しく、そしてあたたかい料理を供する「まかないきいち GINZA」を開店する運びとなりました。

店名の「 きいち 」は四十二歳で逝去した父の名前からとりました。オシャレでハイカラな人でした。今の私は父が亡くなった年齢を過ぎて二十年近くが経ちますが、それでもなお憧れの男です。

そんな父も好きだった銀座。私自身、いつか自分の店を出してみたいと願った夢の場所です。五十歳の時に出版した本の中で、「六十歳になる頃には自分の技術をすべて出し切れる店を開きたい。たとえば場所を銀座かもしれない」と語りました。その夢が実現したことの喜びを今かみしめながら、「叶えてくださったみなさまへの感謝の思いを、一品、一品に込めていこう」と心を新たにしております。

どうかみなさま、食が好きで、人が好きな千葉憲二が真心を込めてつくりあげた料理に、ぜひとも会いにいらしてください。